cyborg’s blog

たまに更新します。

北の零年

いまいち。
ただ周囲からはすすり泣きがいくらか聞こえてきていたのでよかったと感じた人もいたはず。
が、私はいまいち。
この映画からは特に何も伝わってこなかった。
何もというのは、例えば映画から感じるものとしては

  • 主題・・・「生きる」とか「克服する」などなど
  • 主題がない場合・・・感情に訴えるものがある。楽しい、感動する、恐いなどなど。

この映画からは上記のどちらも伝わらない。
ただ単にたんたんと人の生きている姿が描かれるだけ。
そういうのもありではあるが、その場合に3時間は長すぎ、退屈なだけ。
人の成長があるわけでもなく、ただただ月日が流れ、時に困難がありといった展開はいかがなものか。
時折訪れる困難も毎回毎回特につながりもない。
困難あるいはその克服(とはいえないが)も全て運に身を委ねただけという印象を受ける。
イナゴの発生も偶然、あるいは何かあったときに自分の力で何とかするのではなく、たまたま誰かが助けるといったシーンの連続である。
それでもって人の変化のプロセスを描かずに結果だけを描くものだから全く重みを感じられない。
「この人は月日がたってこうなったんだぁ」と事実を知るのみ。
そこへきて、感動だの山だのを狙ったと思われる荘厳な音楽が流れてくる。
が、シーンが浅すぎるため音楽が逆効果で空回り状態。
はっきりいって僕には「駄作」としか思えない。
最近の邦画の良さに反して、前評判だけで期待を悪い意味で裏切る作品であった。